野良猫にエサをやってはいけないのか

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公園などで「ネコにエサをやらないでください」と書かれたプレートを目にします。
こんな表示があると、野良ネコにエサを与えることが悪いことのように思われますが、本当に悪いことなのでしょうか。

野良ネコにエサを与えることが悪いとすれば、いくつかの理由が考えられます。
・エサを与えるとネコが増える。
・ネコがいつく。
・糞尿が臭い。

しかしエサを与えると野良ネコが増えるのかと言えばそうではなく、エサを与えなくても繁殖期がくれば子猫が生まれます。
糞尿の臭いはエサを与えても与えなくても同じですが、実際に公園でネコの糞尿が臭いと感じることはあまりありません。
また、犬は散歩中に頻繁にマーキングしますが、なぜ犬の尿が許され猫の尿が許されないのでしょうか。
ネコがいつくことは間違いないでしょうが、ネコがいついて困るのはネコ嫌いです。ネコ好きは困りません。

「ネコにエサをやらないでください」と書かれたプレートをなぜ表示しているのかを確かめるため、市の担当職員に電話してみました。
最初に出た職員は私の質問に絶句し他の職員に替わったのですが、替わった職員も答えることができませんでした。
結局、「ネコにエサをやらないでください」と言うのはさして理由のある話ではなく、もしかしたらネコ嫌いな人間からの抗議によって始まったことではないかと思われます。
どうもネコは不当に冷遇されているような気がします。


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 動物愛護センターで里親を待つ猫

「野良ネコにエサをやらないで」ではなく、むしろ子供たちから与えさすことによって、弱いものを守る優しさや命の大切さ、あるいは種の違いを超えた愛の交流を学ぶことができるのではないかと思います。
最近野良猫の手足を切断したり、残酷な殺し方をする犯罪がよく報じられます。このことと「野良ネコにエサをやらないでください」という表示は無関係ではないかも知れません。
なぜかと言えば、そのような犯罪を犯す人間は、野良猫にエサをやることが悪いのは野良猫の存在自体が悪いことであり、従って野良ネコを殺すことに罪の意識を感じる必要がないと考えているのかも知れません。

戦後の日本は少数の否定的な意見が声高に語られることが多く見受けられます。
役所などは繰り返し苦情を言い立てられれば、それが少数の意見でも面倒なのでその意見に従ってしまうことがあります。
学校を悩ますモンスターペアレントや悪質なクレイマーもその本質は一緒です。
相手が弱い立場であれば、居丈高に要求を押し付けます。

和を重んじる多くの日本人はあまり自己主張をしないため、サイレント・マジョリティとして存在します。一方、ノイジー・マイノリティは言い分が通るまでうるさく要求するため、少数の意見が社会を動かす危険性があります。
戦後の日本社会をいびつで不健全にした理由の一つが、このような理不尽な要求です。

「ネコにエサをやらないでください」という表示の裏に、日本の戦後病理が潜んでいると思うのは勘ぐりかも知れませんが、当たり前のこととして受け入れていることも、もしかしたら間違っていたり根拠の無いことなのかも知れません。

  猫の子のちょいと押へるおち葉哉  一茶

犬猫しあわせ検定 


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