スズメに餌をやるホームレス

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まだ暑かった頃のこと、空き缶をたくさん積んだ自転車を傍らに止めたホームレスとおぼしきおじさんがパン屑を撒いていて、足元では7~8羽のスズメたちがそれをついばんでいました。
その光景がほほえましく、少し離れたところから足を止めて見ていたのですが、それに気づいたおじさんは人の良さそうな笑顔をこちらに向けました。

私の視線にとがめる雰囲気は無かったはずですが、その場所が銀行の駐車場の一角だったせいか、おじさんはエサを与えるのを止めてしまい、スズメたちは飛び去って行きました。

今にして思えば、パン屑を撒くおじさんに、7~8羽のスズメが寄ってきたことはすごいことでした。スズメは警戒心が強く、エサを撒いても人がいれば寄ってきません。


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むかしある人から、日本野鳥の会の創立者である中西悟堂が縁側に座っていると、小鳥が寄ってきて肩に止まったという話を聞いたことがあります。その方のお父さんは日本野鳥の会の会員で中西悟堂の知人だったので、多分本当のことだったのでしょう。そのエピソードを思い出しました。

しかし空き缶を回収して生活するホームレスがいるのは、いかにも日本らしい光景ではないでしょうか。
日本は物乞いがほとんどいない稀有の国です。物乞いをして人の憐みを受けるより、空き缶を回収して自分で生きて行くことを選ぶのが日本人です。

月にいくら稼げるのかわかりません。自転車に目一杯積んでも20kg位でしょう。アルミ缶は100円/kgしないので、1回の回収で稼げる金額は知れています。今年は冷夏でビールの売れ行きが悪かったので、回収量が減ったかもしれません。

以前は空き缶を回収をしている人を見て、大変だなと同情はしても、それ以上の興味はありませんでした。しかし最近は生活保護を受けずに自力で生きていることに感心します。

現在、生活保護を受けている人間の数は200万人を超えています。
働けるのに働かず受給している人間や、高収入を隠して受給している人間も少なくありません。外国人の不正受給者を含め、多くの人間が自力で生きることを放棄しています。

日本人の本質は変わっていないと思うことと、日本人はこんなになってしまったと思うことが併存していますが、空き缶を回収するホームレスは、もしかしたら変わらない日本人の一面を表しているのかも知れません。

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