日本の原風景

23b197d1.jpg


先だって百年前の日本の写真が公開されていました。
これを見て思い出されたのが文部省唱歌の「海」です。

 松原遠く消ゆるところ
 白帆の影は浮かぶ
 干網浜に高くして
 かもめは低く波に飛ぶ
 見よ、昼の海
 見よ、昼の海

 島山闇に著(しる)きあたり、
 漁火、光淡し
 寄る波岸に緩くして
 浦風輕く沙(いさご)吹く
 見よ、夜の海
 見よ、夜の海


この曲が発表されたのが100年前の1913年(大正2年)ですから、この歌に歌われた「白帆の影は浮かぶ」とは、このような風景だったことがわかります。
作詞作曲は新潟県上越市出身の小山作之助で、地元の景色を歌ったものです。従って、この写真の海とは多少雰囲気が違っているでしょうが、それでも当時の日本の美しさがわかります。(「夏は来ぬ」も小山作之助の作です。)

先年、奈良を見下ろす山あいの自動車道を走っていた時、もしこの光景から人工的なものを排除したら、どれだけ美しいだろうかと考えたことがあります。
無論、昔の風景を想像することは不可能ですが、それでも「やまとは 国のまほろば」と称賛された美しい景色を垣間見る思いでした。

「やまとは 国のまほろば(うつくしい場所) たたなづく 青垣 山隠(やまこも)れる やまとしうるはし」


奈良の美しい景色は広葉樹で彩られています。日本の原風景は広葉樹林にあります。
戦後、住宅建築のために日本全国におびただしい針葉樹が植えられました。そのために日本の山は豊かさを失い、山の動物たちはエサを求めて山里に降りて来るようになりました。

横浜国立大学の宮脇昭教授が岡山、広島など中国地方の山々を調べたところ、松が自然状態の250倍も密集して植えられていたということです。
松枯は、松くい虫(マツノマダラカミキリ)によって媒介されるマツノザイセンチュウが原因ですが、松が密集して植えられていることも要因です。


images11.jpg  matsuhigaichi.jpg


近年、豪雨により山崩れが起きるのはいつも針葉樹です。
枝の広がりは根の広がりに比例しており、広葉樹が針葉樹よりも枝を広げているのは、根が針葉樹より広く張っていることを表しています。
広葉樹の落ち葉は腐葉土となって栄養をもたらし、また多くの水を蓄えます。

現在、国土強靭化計画に多額の予算を計画していますが、この予算の一部で、針葉樹をナラ、ブナ、クヌギなどのドングリの木に植え替えれば、豊かで美しい日本の自然を復活させることができます。

安倍首相が「日本を取り戻す」と提唱されていますが、山の荒廃は戦後の日本の荒廃の象徴です。
四季折々に美しく変化する広葉樹林を取り戻すことが、日本人の心と文化を取り戻すことになるのではないかと思います。


100年前の日本の写真

よみがえる光景



スポンサーサイト

トラックバック

上越市エージェント:貴殿の記事ダイジェストをGoogle Earth(TM)とGoogle Map(TM)のエージェントに掲載いたしました。訪問をお待ちしています。

2013/09/21 (Sat) 09:15 | ケノーベル エージェント