もう一度、原発と放射線を考える

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除染基準の1ミリシーベルトが、約16万人の避難住民の帰宅を阻んでいます。
民主党政権が作った除染の枠組みは、元々、国際放射線防護委員会(ICRP)の基準に沿って、年間積算線量20ミリシーベルト未満でしたが、徹底除染を求める地元の要望を受け、1ミリシーベルトに変更しました。

1ミリシーベルトには医学的な根拠がなく、しかも日本の自然放射線量1.4ミリシーベルトを下回るため、達成は不可能です。不可能な数値を見直さなければ、避難している方々がわが家に帰ることも不可能です。

福島の除染、1ミリシーベルト目標の見直しを

100ミリシーベルト以下の微量放射線が、健康に良い影響を与えることは、以前の記事「低レベル放射線は健康に良い!」に書きました。
しかし、放射線は健康に悪影響を及ぼすとして、いつも引き合いに出されるのが甲状腺異常です。

甲状腺ホルモンのトリヨードチロニン(トリヨードサイロニン)やトリヨードチロキシン(サイロキシン)は、いずれも分子中のチロシンにヨウ素(ヨード)が結合してできています。
従って、これらのホルモンを産生するためにはヨードが必要です。原発事故の際にヨード剤を摂取するのは、体内に十分なヨウ素があれば、放射性ヨウ素を甲状腺に取り込まないからです。

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ところで日本人は、日常的に海藻を食べている唯一の国民であり、本来、日本食を食べていればヨウ素が不足することはありません。またさらに味噌や醤油や漬け物などの発酵食品を摂っており、日本人は世界で一番放射性ヨウ素の害を免れている国民でした。

福島で暮らす人たちに、甲状腺異常が見られるとの報道が繰り返されますが、放射線の影響だと断定できるのでしょうか。
ストレスがすべての不調の原因となることは医学の常識です。避難所生活のストレスや家族を失った悲しみなどが、甲状腺に異常を与えることは当然考えられることであり、すべて放射線の影響であると断じることはできないはずです。

甲状腺ガンを原発事故と結び付ける報道もありますが、ルイ・パスツール医学研究センター分子免疫研究所の藤田哲也所長は、放射線被爆でガンを発症した場合、発見できる大きさになるまで平均25年かかると述べています。甲状腺ガンと放射線を結び付ける報道を、そのまま受け入れるべきではないと思います。


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「致知」2013年1月号に、アイコンテクノ㈱会長金子和夫の記事がありました。
「・・・現在の日本の「脱原発」の動きは、まったく科学的ではないと思うのです。あの原発事故は、原発そのものに問題があったのではなく、人的ミスによって引き起こされたものだからです。私は震災の直後、元電力中央研究所名誉特別顧問の服部禎男さんとご縁をいただきました。服部さんはいわば原子力発電の専門家。

40年前、あの福島第一原発の設計時に東電に意見を求められた際、日本が地震国であることから、非常用電源は「①別々の場所に、②別種類のものを3倍の12台設置して、③常時稼働させておく」ことを提案したといいます。すると東電は「そんな無駄なことはできない」と断ったそうです。

しかも、あろうことか、東電は非常用電源装置を海側の低い位置に設置。そうして津波によって非常用電源が冠水したことが、今回の水素爆発の原因です。事実、同じ福島第一原発の中でも非常用電源が高台に設置されていた五、六号機はなんともありませんでした。
また、より揺れの大きかった女川原発も非常用電源が山手側にあったため、無事だったのです。

要するに、東電が服部さんの提案に従っておけば冠水はしなかっただろうし、そうすればマグニチュード9の地震でも原発は安全に稼働していたわけです。
ここは非常に大事なことです。しかし、この点を指摘している報道は一切ありません。・・・」


原発が停止して、天然ガス等の輸入代金が3兆6千億余分に掛かっており、さらに原発停止中の維持経費が1兆2千億掛かっています。原発停止は国力を弱める大きな重しとなっていますが、活断層の有無が原発再稼働の条件として挙げられています。

敦賀原発の活断層調査に、変動地形学の専門家が加わっていなかったことが問題となっていましたが、そもそも活断層の研究で地震が予知できないことは、東大地震研究所や予知地震・火山噴火予知研究協議会が認めていることです。

東大を中心とする地震予知研究に、年間270億以上の予算がつぎ込まれていますが、何らの実績も上げないまま、巨大な研究費を食い潰しており、東大とゼネコンの既得権益だと批判されています。


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東大地震研究所が立川断層帯トレンチ調査で、コンクリート片を活断層の証拠だと勘違いして発表し、その後、現場を見学した一般人からコンクリート片だと指摘を受けて訂正しました。
滑稽と言わざるを得ない出来事でしたが、要は巨額の予算を投じる調査で、活断層を発見しなければ格好がつかないと言う意識が、コンクリート片に飛びつかせたのでしょう。そのことを東大地震研究所佐藤教授は、「催眠術にかかった」と述べています。

全国の原発の活断層調査にもこの意識が働いていたはずです。つまり万一地震による原発事故が起きた時、責任を追及されないために、良く分らない調査結果に対しても、一応活断層の恐れがあると発表しておけば安心だということです。


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中国の原発 
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韓国の原発


PM2.5が偏西風に乗って日本に来ましたが、中国には稼働中の原発が14基、建設中が27基、計画中が50基、提案中が110基あります。韓国には20基の原発があり、7基が今年完成予定です。
韓国の原発はしょっちゅうトラブルを起こしており、最近も原子炉部品に亀裂があったり、非常電源が作動しなかったりのトラブルが発生しています。
手抜き工事が当たり前の中国では、何が起きても不思議ではありません。日本よりはるかに危険な多数の原発が、風上で稼働しています。

原発の反対運動には、中国や韓国の反日勢力も加わっているようです。その意味は日本から原発が無くなれば、日本の国力を弱めることができることと、世界一の日本の原発技術が格安で入手できるからでしょう。

先のアイコンテクノ㈱会長金子和夫さんは、「私がいまの日本を見て危険に思うのは、政治もマスコミも、いつも国民に「AかBか」の二者択一を迫ることです。・・・あらゆる情報を開示し、考え得る限りのケースを想定し、そこから取捨選択をして最善を選ぶのであれば納得できますが、そのプロセスを省き、「賛成か、反対か」だけを問う。それが現在の日本社会ではないでしょうか」、と述べています。

三次元の世界は、すべて相対的に出来ています。
すべての価値は相対的であり、どんな正しい意見にも、いくばくかの反対意見が成立します。
原発反対にも正当な理由があり、原発再稼働にも正当な理由があります。

争いは「正しさ」の主張から始まることを、以前の記事で書きました。
正しさは、「あれか、これか」の中ではなく、「あれも、これも」の中にあります。

参考:「正しさについて





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コメント

Re: 日本の自然放射能量

サワヤさん

情報ありがとうございました。
自然放射能の値については、私の記憶違いでした。
有名なインドのケララ地方のような高自然放射能地域においても、特に健康被害が見受けられないことに注意すべきだと思います。

2013/05/19 (Sun) 16:44 | パック #- | URL | 編集
日本の自然放射能量

http://www.geosociety.jp/hazard/content0058.html
を参考にしてください

2013/05/19 (Sun) 00:31 | サワヤ #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

タヌ子さん

おっしゃるように、原子力は問題のあるエネルギーなので、できるだけ早く無くすべきだと思います。
問題はその時期と方法です。

太陽光発電は余りにも効率が悪く、原発1基分を発電するために、東京23区の広さが必要です。
核分裂をコントロールでき、安全性の高いトリウム溶融塩炉という技術があります。
この技術開発を早急に進めるべきだと思います。

日本人は原子力に対して、冷静な判断できなくなっていますので、世界的な叡智を集めて方向性を探ることも必要かも知れませんね。

2013/04/19 (Fri) 11:49 | パック #- | URL | 編集

原発自体に問題はないとしても、核廃棄物の処理の解決策が見つからないので、地球のためには原発のない世界を作ることが理想なのだと思います。
しかし原子力発電に代わる安全で、クリーンで、効率の良い画期的な発電方法が見つからない限り、ある程度は原発に頼らざるを得ないでしょう。
今は原発廃絶よりも、如何に安全に原発を存続させるか、そこが鍵なのだと思います。
もう『想定外』などという言葉は通用しません。
今後起こりうる全ての天災を考慮し、万全の策を取るべきなのですが、東電の信頼性があまりにも低いのが問題です。
海外からも原発スペシャリストを招聘して、これ以上はないというぐらいの安全策を取ってほしいですね。

2013/04/18 (Thu) 21:42 | タヌ子 #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

patapataokanさん

1ミリシーベルトという愚かな目標を設定したために、何千億という意味の無い除染費用を使い、しかもいつまで経っても家に帰れないという状態に陥っています。

原発を停止した結果、借金国である日本が、3兆円以上の経常赤字を毎年出し続けています。
先般、原発反対論者と話をしましたが、ほとんどムードに流され反対しているだけでした。
多分、そのような人たちによって、世論が作られているのだと思います。

このままでいけば日本の原発技術は、間違いなく中国や韓国に買い叩かれ奪われてしまいます。
原発反対運動の背景に、そのような勢力がいることも知らず、日本人は扇動され踊らされています。

日本人のお人よしは美徳ですが、悪意に対しては無力です。
もう少し警戒心が必要ですね。

2013/04/18 (Thu) 21:22 | パック #- | URL | 編集

パックさんがおっしゃってるように
福島の放射能の基準があまりにも曖昧で
このままでは現地の方は一生自分の土地に
帰れなくなってしまいます。

原発も折角の日本の優れた技術が今回の
事故で生かされる場が無くなり
中国や韓国がその技術者を手に入れようと
していると聞きました。

大学でも放射能に関する学部は人気がなくなり
このままでは学部自体が無くなるようです。

中国や韓国は家電メーカーの技術者も
高額な金額で雇い、技術だけ習得したら
解雇したような国です。

日本の優れた原発の技術者もきっと
そうなると思います。

そうならないためには国が率先して技術者が
生かされる場を作るべきだと思います。

また原発の技術が風上で悪しきことに
使われないか心配です。

2013/04/18 (Thu) 17:00 | patapataokan #- | URL | 編集

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