本の断捨離は

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昨年、蔵書のほとんどとLPレコードをすべて捨ててしまった。捨てた後の喪失感からいまだに立ち直ってないので、本の断捨離を考えている人には、早まるな、捨てるのはいつでもできる、死んでからでも遅くないとお伝えしたい。無論、邪魔な本なら別です。

これまでも何回も本を処分してきたが、今回は数千冊を古紙回収に出してしまった。学生時代に買った本の中には、当時の下宿代に近いものもあって、貧乏学生がどうして買えたのかわからない。食費を切り詰めて買ったはずはないので、親に仕送りをお願いしたのだろう。親に感謝しなければならないことが、思い出すたびに増える。

捨てた理由は、もう読まないだろうと言うことと、身辺を簡素化したかったからだが、多少身辺の風通しが良くなった意外に、得られたものは何もなかった。

本を読むにはエネルギーが必要で、若さのエネルギーによってしか読めない本がある。また本には読む旬があり、若い時に読まなければ、その値打ちや影響力が大きく減じて、折角の真価が発揮できない本がある。科学系の本を含めて、多くの本が若い人に読まれて価値を発揮する。

本はその内容に応じた気を出していて、良書からは良い気が出ている。ツン読にも意味があるのが、本の功徳の一つだ。
しかし言葉は波動だから、一方で悪書からは悪い気が出ている。悪書はすみやかに処分した方が良い。

学生時代からベストセラーは読まなかった。読むべき多くの古典があるのに、ベストセラーに手を出す余裕が無かったからだが、それは正しい選択だった。若さのエネルギーを失った今、もしドストエフスキーを読もうとしたら、登場人物の名前と人物関係を覚えるのに辟易して、多分途中で投げ出してしまうだろう。
 
処分した本は、ブックオフには持って行かず、廃品回収に出した。ブックオフでは、本の価値が、新しいか古いか、きれいか汚いかで決まるので、古新聞以下の価値しかないだろうと考えたからだった。
ブックオフの出店が増えるに従って、稀こう本(稀覯本)が捨てられる運命にある。便利さには、いつも文化破壊の側面がある。

LPレコードは、大事にしていた50枚位を、LPしか聴かない知人に強制的に引き取ってもらい、他は全部捨て捨てたが、愛聴盤が命を永らえていることが救いになっている。
先日、「心に従って生きる」でご紹介した知人に会った時、本を90%捨てた話をしたら、もったいないと唸っていた。
彼の本棚に並んでいる本の傾向は私と似ているので、今から思えば、一声掛ければ良かったと悔やまれる。

CDとLPを比べたら、音の厚みや繊細さでLPが上回っている。CDのフォーマットが、デジタル技術が未熟な頃に決まってしまったためだ。
レコードの時代、しょっちゅうオーディオ装置をいじり、少しでも音が良くなると喜んでいた。ウイーンフィルやロンドンフィルの音がようやく満足に鳴りだした頃、CDプレイヤーを買ったのだが、その貧しく耳触りな音に失望した。
しかしCDプレイヤーを何台か買い替え、アンプとスピーカーもCDの耳障りな音をマスキングするものに替え、やがて簡便さがLPレコードを駆逐した。便利さはここでも文化を破壊した。

ビデオはDVDに置き換えれば良いのでほとんど処分した。問題はカセットで、去年亡くなった音楽評論家の吉田秀和さんが解説した、NHKFMの「名曲の楽しみ」のカセットが相当数ある。これを処分しようか迷っているのだが、今のところ、捨てるのは死んでからでも遅くないと自分に言い聞かせている。

ところで少し前まで、電車の中では多くの人が本か新聞を読んでいた。今はほとんどの人が携帯に見入っている。
このことが日本の将来にどのような影響を与えるのだろう。




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コメント

Re: タイトルなし

荒野鷹虎さん

数百冊で200円ですか。そんなものでしょうね。
これまで、ブックオフで売れそうな本は処分してきましたが、捨てるよりましという値段でした。
買い取ができませんと言われた古い本の処分が気になっていましたが、多分古紙として処分されるのだと思います。

本の気については、間違いなくあると思います。
ネガティブな波動を持った本の害悪については体験したことがあり、特に霊的な本は、早く処分すべきだと思います。
この場合、他の犠牲者を出さないために、古紙として処分すべきでしょうね。

本はスペースがあれば、捨てるべきではないと思います。
ありがとうございました。


興味ある記事で参考になりました。!私も、古本を数百冊ブックオフに売りましたが200円くらいいただきました。ほっとして最近ブログの記事にしたい事があったとき、売ってしまった本でした。ネットでは見つけられない貴重な本でした。しかし、本棚に飾らずダンボールに整理したのでは売ったほうが未だ良いです。地震対策もあり、本棚を整理する目的で本の整理をしたことは良かったのですが、いつか役に立つ日もある古い本は出来れば本棚に飾っておくべきと今反省しています。汗)積読も、価値があると居う言葉を早く知ればよかったと今後悔しています。有難うございました。!

Re: タイトルなし

タヌ子さん

紙は印刷適性を上げるため、表面に陶土のような土を塗っています。
紙の重さのほとんどは土の重さです。
ご主人が読書家なら、床が抜けるのを本気で心配しますね。

若い頃は本だけが財産で、捨てるなど考えられなかったのですが、
子供が出来てからは、定期的に処分するようになりました。

ビデオはほとんど処分しましたが、DVDだって、いつか無くなる時代が来ると思います。
これだけ記録メディアが変わると、何に記録するのが安全なのかわかりません。

パリの地下鉄は、空気がとげとげしくて好きではないのですが、「最新のスマホを公共の場で触っていると、殴られてひったくられる危険があるので、地下鉄の中で見てる人は少ない」とは驚きでした。
しかし携帯中毒は同じなんですね。

Re: タイトルなし

ガラシャさん

ご無沙汰しています。
毎月到知が届くたびに、ガラシャさんのご活躍を思っています。

若い時には、何をさておき本を読まなければならないと、読書量が激減した今痛感します。
ガラシャさんの言葉で、もっと本を読まなければならないと逆に励まされました。
ありがとうございました。

夫の趣味は読書。
年々増えていく本の重さで、そのうちボロ家の床が抜けるのではないかと心配する日々(笑)
私も若い頃は貪るように本を読んでいたので、実家には私の本がたくさん残っていますが、両親ももう本は読まないし、甥や姪も本には興味がないので、もうそろそろ処分しなくてはと思うものの、なかなか思い切れません。
本やレコードの処分は、思い入れがあるものが多くて難しいですね。
所有ビデオもDVD化されていないものもあり、まだ半分ぐらい残ってます。
まだ保管する場所があるので、パックさんの助言に従って、暫くは保存しておこうと思います。
電車の中で携帯に見入っているのは日本だけではありません。
フランスは最新のスマホを公共の場で触っていると、殴られてひったくられる危険があるので、地下鉄の中で見てる人は少ないけれど、日本同様、携帯中毒の若者だらけです。

その時にしか読めない本がある、本当に的を射た言葉ですね。最近忙しさを理由に読書を怠けていたことに反省し、また読書の価値に改めて気づかされました。
ありがとうございます。
パックさんの価値観、今も変わらず心から尊敬しています。

Re: タイトルなし

patapataokanさん

たしかに世代が変わると興味も変わるのでしょうね。
私も子供たちが読むかと思って置いていましたが、もう読むことはないだろうと判断しました。

若い人の携帯に対する興味は、ネットより、メールやフェースブックなどにあるようですね。
自分もフェースブックをやってみましたが、自己顕示欲の展示場みたいでやめました。
やはり便利さの文化破壊を感じます。

私も昔読んだ本を捨てれずに置いてあります。
歴史本が多いので息子達が大きくなったら読むかもと
思って保管してあったのですが今の子は固い本は
ほとんど読まないのか見向きもしません^_^;

私が再度読むにも老眼になりかけで細かい字を読む根気もなく
捨てる勇気もなくそのまま押入れの中です。

今の若者は携帯やスマホをいじらせたら
素晴らしいですが文字の文化はこれから
どうなっていくのだろうかと時々不安になります。
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