歴史のターニングポイント

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歴史を振り返る時、ターングポイントと言うべき出来事があります。
今回の中国の領海侵犯と恫喝は、後の時代に日本の重大な岐路であったと言われるのではないでしょうか。

安倍元首相は、巡視船に体当たりをして逮捕された船長が釈放された9月24日を、「屈辱の日」と言いました。
国家観の違う現政権に、「屈辱」という言葉は無かったのでしょう。
日本は脅せば引き下がることを知った中国は、尖閣諸島の領有を既成事実化し、沖縄に対しても領有権を主張し始めています。

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コピーライトは不明です

尖閣諸島の海域に埋蔵される天然ガスと石油の量は1000億バーレル以上で、世界有数の埋蔵量です。1バーレル70ドル、1ドル85円で換算しても、600兆円以上の価値があります。

テレビは中国人観光客の減少によって、観光産業や物販への影響を心配するニュースを流していますが、失われる国益の大きさは比較できるものではありません。
この国益を守ろうとせず、中国の顔色を窺う現政権には、最低限の外交能力さえ欠如していると言わざるをえないでしょう。

今回の中国の恫喝は、鳩山政権が掲げた東アジア共同体構想が、如何に荒唐無稽な妄想であったかを白日のもとに曝してくれました。
朝貢使節団のように、嬉々として胡錦濤主席の拝喝の栄に浴した140名の国会議員たちに、もしいくばくかの羞恥心があるなら、きっと自らの愚行を恥じて顔を上げられないでいることでしょう。 慰めてあげなくてはならない!


中国は、ハイブリッド車の二次電池、携帯電話、液晶などに使われるレアアース(希土類)の輸出を禁止すると脅しを掛けてきました。
レアアースは輸入の90%を中国に依存していますが、中国でしか取れないわけではなく、圧倒的な安値で出す中国に対抗できずに、他の国が採掘を中止しただけです。アメリカでは半年以内の生産再開が予定されています。

レアアースの高度な精錬技術は日本にしかなく、世界の非難もあって中国は輸出再開を表明しましたが、レアアースの脱中国化が加速され、やがて自らの首を絞めたことに気づくでしょう。

NEDO(ネド:新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、レアメタル・レアアースの使用量を削減するプロジェクトを進めており、平成23年から平成25年を目途に、使用量の30~50%削減を目指しています。

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今日(9月30日)の新聞に、NEDOと北海道大学が、レアアースを使わない磁石モーターの開発に成功したと書かれていました。他にも使用量の削減や代替品の使用に成功した技術がいくつも出てきています。

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レアアースを使わないハイブリッド車用モーター(NEDO)

リチウムを海水から回収する技術も、産業技術総合研究所で開発されています。開発者にお聞きしたところ、回収コストはリチウムを高濃度で含む、ボリビアのウユニ塩湖よりも高いと言われていましたが、金や希少金属を含めて回収すれば、いずれコストの問題は解決されるでしょう。

日本は困難に直面した時に、知恵と努力でそれを克服してきました。
オイルショックにより、自動車、電気製品等の省エネルギー化が進み、環境問題がクローズアップされたことによって、世界一の環境技術を作り出すことができました。
困難が大きいほど、得られたものが大きかったのが日本です。

今回の領海侵犯によって、日本を取り巻く環境が決して生易しいものではなく、平和が力の均衡によって危うく保たれていることに気づいたとしたら、中国の恫喝は平和ボケした日本人を目覚めさす、格好の警鐘であったと感謝しなければならないでしょう。

「願わくば我に七難八苦を与えたまえ」と祈った、山中鹿之助の言葉を思い出します。





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魂の輝き

急激に老化が進む、リポジストロフィーという難病に苦しむ、イギリスの少女がテレビで紹介されていました。
ザラという13歳の少女で、顔には深いシワが刻まれていて50~60歳に見えます。
まわりの子供たちからイジメを受けるだけでなく、実の父親からも化け物とののしられ、母親はザラを連れて離婚しました。

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大変なハンディを背負った人生ですが、この少女を見ながらある女性を思いだしていました。
その女性は20歳代で身長は145cm位、両腕がありません。

始めて見たのは銀行のATMでした。
長袖を着ていたので普通の女性に見えたのが、ATMを足で操作し始めて両腕が無いことに気づきました。手伝おうとしましたが、「大丈夫です」と断られました。自分で出来ることは自分でやると決めているのでしょう。

この両腕が無い女性が、老化が進む少女を見たら何と思うでしょうか。
トイレ、風呂、炊事、洗濯、買い物、生活すべての不便を考えれば、13歳で60過ぎの容貌であっても、両腕が無いより余程幸せだと思うのではないでしょうか。

不幸の原因は限りなくあり、その一つ一つが本人にとっては深刻な問題です。たとえ自分よりもっと不幸な人間がいたとしても、自分の不幸が軽くなるわけではありません。

幸不幸の絶対的・物理的基準はなく、人から見れば幸せと思える状況の中にいても、人生に絶望している人もいます。

2年前の世界金融危機の時、世界中で多くの富豪が自殺しました。アメリカでは、総資産92億ドル(7820億円 85円/ドル)の大富豪が、株の失敗で自殺しています。
いくら投機に失敗しても、数億か数10億、あるいは数百億の資産は残っていたことでしょうが、失ったものを後悔すれば、今自分が持っているものは無に等しく感じられます。

猛暑の原因」でご紹介しました、エリザベス・キューブラー・ロスは、あの世に帰って聞かれるのは、「人のために何をしたか」だと言っています。

富や地位や名声を得た人生であっても、自分のためだけに生きた人生に価値はありません。人のために何をしたかが、この世に生を得た意味と言えるでしょう。
自分自身、今あの世に帰ったとして、この問いに答えることができません。

ヘレンケラー、以前の記事でご紹介した中村久子さん、「五体不満足」の乙武さん、このような大きなハンディキャップを乗り越えた人が示してくれたことは、どんな状況の中にも絶望はなく、魂を輝かせることができるということでした。

私達は健康な肉体と、住む場所と、日々の食べ物を与えられて生きています。
ATMで見かけた両腕の無い女性、老化が進む少女、あるいは中村久子さんや乙武さんのような厳しいハンディを背負っているわけではないのに、不平不満、愚痴、悪口を言い、与えられているものに気づかず生きています。

ニック・ブイヂチさんという、生まれつき両腕両足が無い方がいます。
「神は僕に偉大な使命を与えてくださった」、「僕は幸せです」と語る彼の表情には、自分の境遇を100%受け入れ、それを感謝できる人間だけが持つ、愛と明るさが溢れています。




ニック・ブイヂチさん




縁を生かす

今日(9月6日)の日本経済新聞と産経新聞、北海道新聞他の地方紙に『致知』の一面広告が掲載されました。
しかし、他の全国紙を読まれている方々にも、この感動的な実話を知って頂きたくご紹介します。

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その先生が五年生の担任になった時、
一人、服装が不潔でだらしなく、どうしても好きになれない少年がいた。
中間記録に先生は少年の悪いところばかりを記入するようになっていた。

ある時、少年の一年生からの記録が目に留まった。
「朗らかで、友達が好きで、人にも親切。 勉強もよくでき、将来が楽しみ」
とある。間違いだ。他の子の記録に違いない。先生はそう思った。
二年生になると、「母親が病気で世話をしなければならず、時々遅刻する」
と書かれていた。

三年生では
「母親の病気が悪くなり、疲れていて、教室で居眠りする」

後半の記録には
「母親が死亡。希望を失い、悲しんでいる」
とあり、四年生になると
「父は生きる意欲を失い、アルコール依存症となり、子どもに暴力をふるう」

先生の胸に激しい痛みが走った。ダメと決めつけていた子が突然、
深い悲しみを生き抜いている生身の人間として自分の前に立ち現れてきたのだ。
先生にとって目を開かれた瞬間であった。

放課後、先生は少年に声をかけた。

「先生は夕方まで教室で仕事をするから、あなたも勉強していかない?
 分からないところは教えてあげるから」

少年は初めて笑顔を見せた。

それから毎日、少年は教室の自分の机で予習復習を熱心に続けた。
授業で少年が初めて手をあげた時、先生に大きな喜びがわき起こった。
少年は自信を持ち始めていた。

クリスマスの午後だった。少年が小さな包みを先生の胸に押しつけてきた。
あとで開けてみると、香水の瓶だった。
亡くなったお母さんが使っていたものに違いない。
先生はその一滴をつけ、夕暮れに少年の家を訪ねた。
雑然とした部屋で独り本を読んでいた少年は、気がつくと飛んできて、
先生の胸に顔を埋めて叫んだ。

「ああ、お母さんの匂い! きょうはすてきなクリスマスだ」

六年生では先生は少年の担任ではなくなった。
卒業の時、先生に少年から一枚のカードが届いた。
「先生は僕のお母さんのようです。
そして、いままで出会った中で一番すばらしい先生でした」

それから六年。またカードが届いた。

「明日は高校の卒業式です。僕は五年生で先生に担当してもらって、
 とても幸せでした。おかげで奨学金をもらって医学部に進学することができます」

十年を経て、またカードがきた。
そこには先生と出会えたことへの感謝と父親に叩かれた体験があるから
患者の痛みが分かる医者になれると記され、こう締めくくられていた。

「僕はよく五年生の時の先生を思い出します。
 あのままだめになってしまう僕を救ってくださった先生を、
 神様のように感じます。
 大人になり、医者になった僕にとって最高の先生は、
 五年生の時に担任してくださった先生です」

そして一年。届いたカードは結婚式の招待状だった。

「母の席に座ってください」

と一行、書き添えられていた。

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本誌連載にご登場の鈴木秀子先生に教わった話である。

たった一年間の担任の先生との縁。
その縁に少年は無限の光を見出し、それを拠り所として、それからの人生を生きた。
ここにこの少年の素晴らしさがある。

人は誰でも無数の縁の中に生きている。
無数の縁に育まれ、人はその人生を開花させていく。
大事なのは、与えられた縁をどう生かすかである。

『致知』2005年12月号 総リード



人との出会い、本との出会い、様々な出会いの感動が人生を変えます。
出会いを生かすためには、美しいもの、善なるものに感動できる素直さが必要ですが、もののあわれを知る日本人には、その心が連綿と受け継がれているはずです。

『致知』という雑誌の発行部数は12000~13000部程度のはずです。
資金力の無い(失礼)『致知』がこれほどの新聞広告を出すのは、方向性を見失った日本人が立ち返るべき道は、かつての日本人が目指した徳の道以外に無く、一人でも多くの人にそのことを伝えたいとの強い願いからだと思います。
『致知』のメルマガもありますのでご覧ください。






国際有機認証「しらい田七人参」
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