6歳児の書いたお別れの言葉ー丹養塾幼稚園 続き

小さな人生論〈2〉「致知」の言葉小さな人生論〈2〉「致知」の言葉
(2005/10)
藤尾 秀昭

商品詳細を見る


<その後分ったこと>
あの池田小学校の無残な事件の折、先生たちがパニックになり右往左往していた時に、3人の子供が相談して110番しました。
この子供たちは丹養塾幼稚園の卒園生でした。
残念ながら、園長先生が亡くなられた後、丹養園幼稚園は運営されていません。


「お別れの言葉」をもらった園長先生は、吉田良次先生といいます。
吉田良次さんは、兵庫県伊丹の農家の後継ぎに生まれました。師である安岡正篤に出会ったのが昭和24年、18歳の時でした。
「自分の人生は一介の農民としてこのまま終わっていいのか」という煩悶が師の門を叩かせたのです。
以来、吉田さんは農業に励む傍ら安岡師の教えを得て、古典の教えを学びました。

吉田さんはその学びを少しでも後世に伝えたいと考え、自宅の納屋を改築して、「丹養塾幼稚園」という保育園を開設しました。
そして古典の徹底した素読教育を実践したのです。

 園児たちの1日は、朝30分の勤行(ごんぎょう)から始まります。本居宣長などの「和歌」や三輪執斎の「憤」など古典の名言を唱和します。意味や解説は教えず、吉田さんが先頭に立ってとにかく朗誦し、その後を子供たちが唱和します。
ただその繰り返しが驚くべき力を発揮したのです。

1年もしないうちに、どの子も古今の名言をすらすらと朗誦するようになったのです。それだけではありません。新しく入ってきた子は年上の子に倣って朗誦するようになります。
そして、いつか漢字まじりの原文を読み、書き、意味を理解するようになっていきます。

どうしてこんな驚くべき教育ができたのか、 重要なポイントを整理します。

1.素読の重要性

古典を原文のまま繰り返し素読することによって、原文の持つ格調やリズムを覚える。

2.丸暗記の重要性
素読によって暗記したことは成長過程でその意味を理解し、気づきや指針となる。

3.幼児期に本物を教える
子供の能力に限界はありません。バッハの音楽を聴いて育てばバッハが好きになり、名演奏を聴かせれば名演奏に感動できる感受性が育ちます。
よく引き合いに出すバイオリンの「スズキメソード」は、バイオリンを始めたばかりの子供たちに巨匠の名演奏を聴かせます。古典の素読と同じ意味です。

スポンサーサイト

6歳児の書いたお別れの言葉ー丹養塾幼稚園

小さな人生論〈2〉「致知」の言葉小さな人生論〈2〉「致知」の言葉
(2005/10)
藤尾 秀昭

商品詳細を見る






 致知出版社刊行の藤尾秀昭著「小さな人生論2」のなかに、ある幼稚園の園長先生が亡くなった際、6歳の女の子が書いたお別れの言葉が紹介されています。
とても6歳児が書いた文章とは思えないほどしっかりした内容に心を打たれます。

『お別れの言葉
園長先生、歩未の声が聞こえますか。2歳10ヶ月の時、丹養塾幼稚園に入園してから、漢字、算盤(そろばん)、諺、俳句、花園文庫、伝記、少年日本史朗誦選集など、園長先生には沢山の事を教えて頂きました。

毎日一生懸命勉強して南宋の文天(ぶんてん)祥(しょう)の正氣(せいきの)歌(うた)を暗誦できるようになった時も、算盤の大会でトロフィーを貰って来た時も、園長先生はとても喜んで褒めて下さいました。

それから園長先生は色々なところに連れて行って下さいました。北海道巡歴研修でクラーク博士の像の前で「青年と大志」を朗読した事、青森文字色駅のデパートの軒先で野宿をした事、北陸巡歴研修で、永平寺で座禅をした事、橋本左内の銅像の前で啓発録(けいはつろく)を読んだ事、沢山の楽しい思い出があります。

他にも、親子教室甲山の遠足、運動会、お餅つき、立志集、卒園式、小音楽会、桃太郎の劇など園長先生に教えて頂いた素晴らしい思い出が沢山出来ました。

これから園長先生は天国へ行って、私達の事を見守っていてください。

私達は、園長先生に教えて頂いた事をいつまでも忘れず深くさぐって強く引き出す人になります。天から受けたものを天にむくいる人になります。そして、この世に役立つ人になります。園長先生、ありがとうございました。 

平成15年11月23日 園児代表 吉田歩未』




「私達は、園長先生に教えて頂いた事をいつまでも忘れず、深くさぐって強く引き出す人になります。天から受けたものを天にむくいる人になります。そして、この世に役立つ人になります。園長先生、ありがとうございました。」

こんな表現が6歳児にできるのです。園長先生の教育のすばらしさに心を打たれます。
親や先生が引き出せば、子どもの能力には限りがないのです。

橋本左内が啓発録を書いたのは14歳の時でした。人に見せる為ではなく、自分を戒め、向上さすための自戒録として書かれています。
昔、12歳から15歳位の間に元服式を行い、大人として自立する覚悟を決めましたが、20歳の成人式が何の意味も持たない現在と比べて、かっての日本人の素晴らしさを痛感する文章です。

つづく




短歌

ブログ内検索

QRコードメーカー



フリーエリア